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ONE SHIP主催ウェビナー 〜SDGsを知り新規ビジネスのヒントにする〜

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2020年09月25日(金)

ソフトバンクでは、企業と新たなサービス作りに取り組むパートナープログラム「ONE SHIP」を展開している。このプログラムでは、参加企業とソフトバンクがAIやロボットといった技術を生かし、ITサービスを豊かにすることを目指す。今回はONE SHIPのパートナー企業で、SDGsに先行して取り組む3社がSDGsの現状や投資との関連性について発表。イベントはウェビナー形式で9月25日に開かれた。

SECTION.01

イノベーションを起こす上で軽視できないSDGs

④ソフトバンクONE SHIPの概要説明_page-0003.jpg

ONE SHIPとは?

ONE SHIPは2019年に発足。ソフトバンクとイノベーションを目指す企業がICTで連携し、“ひとつの船に乗り込む”ことを目指している。1社では実現できない、共創、拡大、発掘といった新たな価値の創出を目的とする。パートナーは2020年9月1日現在、全国で140社。参加企業の領域は、AI、IoT、RPA、ロボット、セキュリティ、クラウド、RPAと幅広い。

SDGsとは?

「Sustainable Development Goals」(持続可能な開発目標)の略称。2001年に策定されたミレニアム開発目標(MDGs)に代わり、2015年9月の国連サミットで採択された国際社会共通の目標。「貧困をなくそう」や「飢餓をゼロに」「ジェンダー平等を実現しよう」など、2030年までに実現すべき17の目標を掲げている。


以下、本ウェビナーに登壇したONE SHIPパートナー企業による、SDGsの解説やビジネスに活用された取り組みを紹介する。

SECTION.02

株式会社Drop

①株式会社Drop様:SDGsセミナー資料_0925_page-0006.jpg

株式会社DropはSDGsの導入や推進、新規事業創出を行うコンサルティング会社。SDGsに関する研修や講演、戦略策定、パートナーマッチングを支援するほか、オウンドメディアやYouTubeでの情報発信を行っている。ウェビナーでは、代表取締役CEOの米田真介氏がSDGsの基礎知識を解説した。

SDGsの基礎知識と新規ビジネスへの広がり

①株式会社Drop様:SDGsセミナー資料_0925_page-0023.jpg

社会課題に取り組むことは、市場拡大につながる。例えば、視覚障害者はiPhoneを利用している人が多い。iPhoneの開発には視覚障害を持つエンジニアが携わっており、点字入力や画面読み上げなど、当事者の目線で機能が工夫されているからだ。「インクルージョンはイノベーションの母」といえる例で、米田氏は「目が見えない人の数は2050年までに約3倍、1億1500万人に増えると言われている。全員に1台5万円のiPhoneが売れるとしたら、その市場規模は7.5兆円になる」と説明した。


ビジネスに生かすためには、あらゆるニュースをSDGsの視点で見ることが大切だ。バングラデシュでは2013年、縫製工場が入るビルが崩落し千人以上が亡くなる事態に。当時、労働者は違法増築された建物で働いていた。その結果、安い人件費を求めて製造を委託していたアパレル企業に対する不買運動が起こった。


近年、SDGsを取り巻く社会の動きも活発化している。2017年には経団連が「企業行動憲章」を改定。SDGsの達成を盛り込んだことで、大企業を中心にSDGsへの関心が高まった。2019年は「SDGs経営元年」といわれSDGsに取り組む中小企業も増加。持続可能な資源利用ができているかなど、大企業がサプライチェーンを見直したためだ。


2020年にはトヨタが決算報告会でSDGsに取り組むと発表。多くの下請け企業を抱えるトヨタの影響力は大きく、この頃から中部地方で関心が爆発的に高まった。


一方、世界をリードしてきたのは欧米企業。スターバックスコーヒーは国連のSDGs採択時点で、フェアトレード99%を達成。Appleは2019年の企業価値評価200兆円のうち、非財務が9割を占めた。取引先に対して請求書にCO2排出量の記載を求めているユニリーバの取り組みも注目を集めている。


SDGsを経営に取り入れる上では、社会課題を起点とした「アウトサイド・イン」のアプローチが求められる。企業が持っている「強み」と、顧客の背後にある「社会課題」が交わったところに、新しいビジネスの機会が生まれる。その時ヒントになるのがSDGsだという。
実際に企業がSDGsを導入する際に指針となるのが、国連関係団体が作成したガイドライン「SDGコンパス」。目標の設定や経営への統合など5つの手順が示されているので、参考にしたい。

SDGsに取り組むことで、行政やNPOなど同じ社会課題に取り組む新しいパートナーとのつながりが生まれる。一方、自然保護や労働環境に無関心であれば、縫製工場の事故のように事業の停止や企業イメージの低下といったリスクも高まる。米田氏は「SDGsに取り組むと、機会を増幅させて売り上げを増やすことができ、経営リスクの回避につながる」と意義を強調していた。


関連リンク

SECTION.03

株式会社ベクトル

②株式会社ベクトル様:セミナー資料ESG経営について_page-0006.jpg

株式会社ベクトルはPR事業やニュースリリース配信事業を基盤とする会社。近年はSDGsやESG経営・投資分野に注力している。ESG経営・投資分野では、九州大学と提携し産学連携プロジェクトを開始。事業開発本部オープンイノベーション部長の大北潤氏がESG経営・投資の背景と変遷、現状について説明した。

すでに世界的潮流であるESG経営・投資

②株式会社ベクトル様:セミナー資料ESG経営について_page-0038.jpg

利益を追求した結果、環境破壊や不祥事などを引き起こす企業が増えている。そんな中、注目すべき概念が「ESG」だ。「Environment(環境)」「Social(社会)」「Governance(企業統治)」の頭文字をとったもので、「CO2削減」「ダイバーシティの推進」「積極的な情報開示」といった持続可能な社会づくりのために企業が取り組むべき3つの非財務要素のこと。これを意識して経営することを「ESG経営」、その結果に応じて行われる投資を「ESG投資」という。


近年、ESG投資市場は盛り上がりを見せており、世界の投資家の運用資産総額は9000兆円にものぼる。国連が2006年、投資家に対してESGに取り組む企業への投資を呼びかけたことで加速した。日本では、2017年からGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)がESG投資を始め、他の機関投資家にもESGを考慮する動きが広まった。


世界の機関投資家が、ESG投資の際に参考にするのが「ESGスコア」だ。企業のESGにおける取り組みをスコアリングするもので、世界に数社、調査機関がある。調査機関によって評価方法はさまざまだが、たとえばイギリスのFTSEの場合、「気候変動」「顧客に対する責任」「税の透明性」など、業種により最大14のテーマを設定、300以上の項目で評価している。


日本企業のESGインデックスも存在する。これはESGの観点から優れていると判断された日本企業の株式で構成された株価指数のこと。現在の調査対象は時価総額1000億円以上の上場企業に限られているが、今後拡大される見込み。大北氏は「上場企業の大手しか関係なかったが、これからは上場企業であれば中堅企業でもESGへの取り組みを見られるようになる」と述べた。


また、ESGスコアと利益、株価には相関がある。EU諸国ではESGスコアが1ポイント上がると、利益が14.86%、株価が13.37%上昇。コロナ禍でも、株価上昇の影響が見られた。一方、EU諸国に比べると日本の株価上昇率は小さい。海外のESG投資家へのアプローチ不足や国内投資家のESG投資意識の低さが背景にあるとみられている。


これからの企業経営においてESGスコアへの取り組みは、株価や利益に直結するため欠かせない。ベクトルでは、各企業のESGへの取り組みをスコアとして判定するサービスもあるので活用したい。


関連リンク

SECTION.04

ソフトバンク株式会社

③ソフトバンクSDGs推進室:ソフトバンクのSDGsの取り組み_page-0008.jpg

ソフトバンクは、今年度から本格的にSDGsに取り組んでおり、2020年4月に取締役会の諮問機関としてSDGs推進委員会を設置するとともに、代表取締役社長執行役員の宮内が最高SDGs推進責任者となり、トップ自らが旗振りを行なっている。社内の各部門に加え、グループ会社各社に、SDGs推進責任者を設置し、グループ全体でSDGsに取り組む体制を構築している。SDGs推進室の日下部 奈々が社内の体制やこれまでの取り組みについて紹介した。


「2020年の新型コロナウイルスの感染拡大は、社員一人ひとりにとって、テクノロジーを通じて社会課題に貢献できると改めて感じる共通体験となった。SDGsについても『課題』があるところには、社会課題の解決に貢献しつつ企業としても成長する『機会』があると認識するようになった」と日下部は説明した。通信インフラとして、お客様のネットワークを支えるという原点に立ち返ったという。

ソフトバンクにおけるSDGsのビジネスの活用

③ソフトバンクSDGs推進室:ソフトバンクのSDGsの取り組み_page-0010.jpg

ソフトバンクでは、経営理念である「情報革命で人々を幸せに」を具現化するための、SDGs推進のための6つのアクション(重要課題)を掲げている。SDGsを「経営理念と経営戦略をつなぎ、当社の成長を加速するキードライバー」と位置づけ、経営とSDGs活動を統合して取り組んでいる。


アクションの一つ目に挙げている「DX(デジタル・トランスフォメーション)による社会・産業の構築」は、最先端のテクノロジーを駆使することで、企業の生産性向上を目指している。例えば、トンネル工事の現場では、酸欠や熱中症、落盤事故が発生する恐れがある。そのため、トンネル外から建設機械を遠隔操作できるよう、建設会社と実証実験を進めている。高速通信規格5Gを活用するもので、安心・安全な労働環境が実現できると期待されている。
RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)導入の実証実験では、市役所の業務効率化に成功。データ入力などの定型のパソコン業務を専用ソフトウェアで自動化することで、作業に費やす時間を9割削減した。


また、社内外の各ステークホルダーへの発信やエンゲージメント強化にも力を入れている。 社外に対しては、広告やビジネスツール、対外向け資料でSDGs達成へ向けた活動を発信。従業員を中心とした社内向けには、社員大会や勉強会、ワークショップ、社内イベントを開催するなど、自社の方針や活動を理解浸透させる場を設けるなどの取り組みを精力的に行なっている。従業員を対象にしたアンケートではSDGsの認知度は、約96%まで達しており、SDGsに対する浸透がとても深まっている。日下部は「SDGsは大きい課題で、1社だけでは達成できないパートナーシップが非常に重要な活動であると考えている。ONE SHIPの皆様と一緒に実現していきたい」と締めくくった。

SECTION.05

質疑応答

ウェビナー後の質疑応答では、参加者から活発に質問が投げかけられた。その中から抜粋して紹介する。


ーーSDGsはまず何から始めるべきか

「SDGコンパス」というガイドラインがある。まずは理解から始めるしかない。勉強会を開くことがファーストステップ(米田氏)


ーーどう経営陣の合意をとるべきか

企業ごとに合意のポイントは異なる。SDGsの課題解決がビジネスチャンスにつながり、世の中に必要な企業となるためには欠かせないという啓蒙を行うのも一つの方法(日下部氏)


ーー日本企業が得意なPDCAと、SDGsに求められるバックキャスティングのギャップの埋め方は

「立てた目標は必達」という考えをいかに外すか。企業文化を変えることが必要(米田氏)


SECTION.06

新規ビジネスのヒントになるSDGsに関するウェビナーを終えて

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ONE SHIPでは、今後もワークショップなどの各種共創イベントが行われるほか、パートナー同士をつなぐプロモーション、共創関連情報の提供など、パートナーの「気づき」につながるコンテンツを企画、提供する。加入申し込みにあたっては、ソリューション、セールス、イノベーティブの3区分から選択するか、複数にわたっても構わない。


より多くの企業が参加し、相互につながることで、オープンイノベーションがより早く、より多く実現する。今回のテーマであるSDGsに関しても、自社での取り組みとともに、ONE SHIPでの協業を行うことで、新たなビジネスチャンス創出の近道になるかもしれない。


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